波止場
リリー
どす黒く
ゆり返しながら
波よ
おまえの大きな いざない
貞操のない女の
ほんのちょっぴりした悔いの
ほろ苦さ
海は いつでも生暖かい
妙にがっちりして
水平線をみるポーズの美しい若者に
息の上がる程 抱きしめられたくて
波止場おんなのコケティッシュな腰つき
死ぬときは、
この岸ぺきから飛び込むことにするわ。
忠実なる女の
目は泣いていたのに
唇の端の薄笑い
煙草にむせ返りながらみる
月が三角
ゆり返しゆり返し
悲しい広さ
波よ
おまえの激しい誘い
自由詩
波止場
Copyright
リリー
2023-08-27 09:40:10
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