肉の光跡
ひだかたけし

母は蝋燭を抱き
俺はチキンを貪る

光点の絶え間なく揺動し、

静かさの散逸と無機物のザワメキ
絶えず創造する破壊する力動の核に

 蝉時雨 岩に染み入り侵食し
 閑さを 襲う世界という響き

 *

母はキャンドルだき
俺はチキンむさぼる



この神聖と汚濁の狭間 滅びゆく肉の光跡宿ると


自由詩 肉の光跡 Copyright ひだかたけし 2023-08-25 19:44:49
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