夜想、病床のうた
ひだかたけし

水道道路、貫き
荒い息に疾駆する白馬たち、
空中都市マチュピチュ麓通過し
クスコからウルバンバまで駆け抜ける

  *

強い思念を不断に携え
その力動を徐々に感じつつ
肉体の脈動と硬直を窺い恐れる
俺は未だ執着と理念の狭間に生き

朝一番、路傍の草木に観る開花
白に紫、逢い踊り躍りして流れ出す
実体喪失し浮き立つ色彩に高鳴る感情

  *

水道道路、貫き
疾駆し続ける白馬たち、
地上残照の井の頭公園まで
久留米から三鷹市を横断する

わたしの深みから沸き出す力動
反復され反芻される瞬間の光景

白馬の疾駆に純粋な想い憧れ無常貫く







自由詩 夜想、病床のうた Copyright ひだかたけし 2023-08-20 21:14:36
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