名無し人(新訂)
ひだかたけし

私という孤独が
厳しく露わになる

この瞬間、

青銅の窪みに穴穿たれ
濃密に暗まる空の青み
昼の意識に広がり
抉るように流れ落ちる

 ぽっかり深淵が口を開く、
 ぽっかり深淵が口を裂く、

遠くフルサトの汽笛響き

わたしはもう
どこにもいない







自由詩 名無し人(新訂) Copyright ひだかたけし 2023-08-20 16:14:54
notebook Home 戻る