秋の道
リリー
林檎を むきながら想う
貴方の目
どうしても思い切れない
あなたの声
リトルシガーの煙
うすく立ちのぼる果は
頼りない指の先
もはや 希望の色はなく
何か ぼやけているのだ
そっくり同じ私が機械的な手つきで
林檎をむきながら
すすり泣いている様であったが
仕方がないじゃありませんか!
前を向くのも
空を ふり仰ぐのも悲しいと言ったって
後ろ向きに歩むわけにもいかない
そこに 細くのびる道
少し鋭い秋の陽に
恋が流れて
石畳に反響する
自由詩
秋の道
Copyright
リリー
2023-08-12 08:08:11
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