THRAK 4
ひだかたけし

雪原に野兎の跳躍
雪崩れの巨大な響
白峰の遥か聳えて

 奥まる意識に生まれ続ける円が呟きかける
 私に刻まれた瞬間の光景、鮮明に反復させながら
 時の震動に円、延々と大小無数無限に湧出し

氷瀑の巨大な肢体
動態のまま凍結し
薄暗い山林の狭間
その威容突如現れ

 覚醒の意識に生まれ続ける円が語りかける
 名づけの手前ただ在りと肯定された圧倒的な実在
 時の振動に円、延々と大小無数無限に沸出し

この世界という未知
私に到来する時、
この私という未知
世界に到来する

 私に世界、接続し 世界に私、接続し

内底から木霊する鋼鉄の轟音
絹の透明織り込みながら
輝く光滴の旋律響かせ
意識を力動で貫く











 
 




自由詩 THRAK 4 Copyright ひだかたけし 2023-08-07 16:15:17
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