砂の鳥
atsuchan69

降りしきる砂に埋もれてゆく
さまざまな過去が現れては消え
羽のない水色の鳥は
ぼんやりとした想いの空をとびつづけた
ここが幻だとしても
今は見ているものが現実だった
砂に埋もれてゆくからだは
もはやそれが自分自身ではなくても良かった
過去の自分が、
部屋の壁にグラスを投げつけて
誰かが割れたグラスの破片を拾っている
よく見るとその顔は自分だった
罪はどこまでも罪だった
そして果てしなく罪の許しも拡がっていた
からだは砂に埋もれてゆけばよい
羽がなくても、
想いは自由にとぶことができる

目の前にはただ果てしのない現実があった


自由詩 砂の鳥 Copyright atsuchan69 2023-08-05 04:44:12
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