ひぐらしのうた
アラガイs
コンビニで弁当と惣菜をひとつ
缶ビールは明日のためにふたつ
あとはテレビをつけっぱなしで眠るだけ
冬には窓のすきま風が冷たく
クーラーをつければ部屋から出れない夏
そんな二階のアパート暮らしにもなれてしまった
今日は月曜だと朝刊を見てはじめて気づく
なにもなければカレンダーをめくることもない
もっとも日曜なんてずいぶん前に忘れてしまったけれど
半速球のかけ足でアルバイトに精をだす
脚も腰もわるくて痛いのは毎月の薬代
昨夜通りかかったオヤジの家がやけに廃れて暗かった
哀しい夜には月を追いかけて
狭い小径で猫の眼が光る
ろくでなしだと笑われていた頃も
人でなしだとこころで泣いた日も
おーい、いきちょるか 息を吸って吐いてるか
何かを避けようとして自転車は飛んだ
もう銀杏の樹は枯れてしまったよ
まだ、まだまだ死んでたまるか と
草根っこの中で生きてやる