月の猫の尾を追い掛けて
形而上の色を弄る
ご機嫌な足取り軽やかな
夢に顕れる可愛いghoul と繋ぐ掌
(片手には鋭利な……)
喪服の似合う
少女の唇は黝く
列なる扉の奥に棲む静謐な安息は永久か
CHANEL の薫りと発語する鏡
深みにおいて尚揺れる深緑色の綺麗な外套
幸福な侵蝕の表層に漂う幻を舐め
horror とterror の違いの裡に長嘯を索む
(蜂蜜酒は零れ……)
鰓の呼吸に似せた快適な愛撫が齎す
禁忌の甘味を湛えた水瓶
androgynos の豪奢な食卓
一杯に満ちたヒト科の聲よ
sapiens の蒙昧さが
愉快に廻る
なんて素敵な
素敵な夜
惑星達の前倣え
なんて素敵な
素敵な夜
惑星達の前倣え
いあ、いあ
――なんてね！