緑葉
Giovanni

炎天厳しい8月
森の木々はまっすぐと
燃える円球のような日へと
ごつごつした両手を伸ばす

枝が大事そうに抱える緑葉は
ああ 体に新しい力を抱いた
小さいお前そのものだ

それは決して激しくはない
雄弁でもない 巧んでもいない

それは ちょうど
冬を忍んで耐え行くしぶとさとか
焦土の赤土から芽吹いた双葉とか
私たちがかつて誰しもがもっていたはずの何か
それなのに いつか大人になって忘れてしまう何か

強くしぶとく大きくなって
お前の道を急がずに行けよ
緑葉よ 
愛しいものよ


自由詩 緑葉 Copyright Giovanni 2023-08-01 11:18:18
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