独り言7.23
zenyama太郎

○「他生の縁」
登山道で
交わすあいさつも
他生の縁
山小屋で
同室になるも
他生の縁
洋式トイレで
尻つけ合うも
他生の縁

○「下山途中」
冷たい雨に降られて
飛び込んだ山小屋の
あたたかいおしるこ
三口で食べて
800円
さらに売っている傘
一本で3000円
世の中実によくできている

○「マイ登山」
若い山ガールだけでなく
シルバーの山ガールにも
追い抜かれていく
競う意欲まったくなく
どんどん追い抜かれていく
近頃はどうしてもあんなに急いで行くんだろう?
とさえ思う
道端の草花や木を眺めたり
鳥の囀ずりや川のせせらぎに耳を傾けたりしながら
マイペースでゆっくり歩く
リタイアして時間だけはたっぷりあるのだから


自由詩 独り言7.23 Copyright zenyama太郎 2023-07-23 14:26:02
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