穏やかな飛翔4〇思考という力
ひだかたけし

沈黙に
横たわる

熱帯びる肉体、

沈黙が
横たわる

内なる遠い地平を凝視し
空と大地の光彩とうねり

この小部屋の白壁が震え揺れ動き、

沈黙 重層し
静かさの内に
なんてたおやかな午後だろう
離脱する思考、肉体脳髄から
私がもう一つの私を観ている



境界が溶け次元と次元が重なる
森を駆け抜けていく白馬たち、
美しくしなやかにいななき
見えるもの見えないもの
混ざり合い開かれ合い

やがて、夜闇迫って漆黒に蠢き
わたしは死んで生きて何度でも

  *

静かさに
横たわる
熱は巡り
静かさが
横たわる

思考に貫かれて
生に貫かれて
包み込む
魂の私
という
認識

一歩一歩、

在ることの真実に近付き
思考という力
感じ取り
戸惑うことなく水脈を辿り





自由詩 穏やかな飛翔4〇思考という力 Copyright ひだかたけし 2023-07-18 15:26:36
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