アイソニアの騎士、立つ(一)
おぼろん

アイソニアの騎士は、盗賊ヨランからの情報によって、
イリアスがフランキスの人質にあることを知った。
そして、今はアースランテの国内にいると。
「祭祀クーラスめ、奴は何を考えているのか。

 イリアスを今回の戦争の生贄にするつもりか?」
アイソニアの騎士はただ苛立っていた。
十三歳という少女を、戦争の駒にする。
それはあってはいけないことだと、アイソニアの騎士は思った。

「クールラントが、祭祀クーラスが、何を考えているのかは知らぬ。
 しかし、幼いイリアスを戦争の道具とするとは!」
アイソニアの騎士自身も、今ではアースランテの戦士だった。

戦争に非道はつきものである。しかし、いたいけな少女を……
アイソニアの騎士は怒りに駆られた。彼の暴走も、
今ではまったなしの様相であった。「クールラント、許すまじ」


自由詩 アイソニアの騎士、立つ(一) Copyright おぼろん 2023-07-18 00:03:47
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
クールラントの詩