夏の日
soft_machine

 花がゆれていた
 かすかな風があるらしい

 おあしす、という名の看板が
 空に吊り下げられ

 割れた白熱灯が取替えれない
 青粉を吹き
 町と山の境を馳せる群

 人をつれ去る 夏はオルガン
 嵐 蹄の傷 知らないうちに

 指の跡、その爪 そして愛
 伸縮するもの

 それから また音の波

 増えようとする力
 増えはじめた悔い

  (世界を
   いつでも愛しく思い)

  (世界を
   こんなにも憎む)

 花が 廃墟で 枯れているという
 王冠を燒きつける稲光

 幸せの思い出だけを残して
 迎えられた夏





自由詩 夏の日 Copyright soft_machine 2023-07-17 14:20:09
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