寝ぐら[まち角16]
リリー
神への歌を忘れ果てた犬が
夜を彷徨う
細い脚が痩せこけた腹を支えて
乾いた目をまっすぐ下に向けて
舗道を行く
俺のねぐら
俺のねぐらは何処か?
彼は思う
俺のもぐり込む場所が無い
そして思う
日でも月でも照っていた時には
俺は彷徨う所すらない
彼は目を上げようとしない
星が一杯輝いているのに
彼は知らない
神が手を伸べていらっしゃるのに
彼は知らない
自由詩
寝ぐら[まち角16]
Copyright
リリー
2023-07-09 18:17:25
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