夏がきて
soft_machine

 感じる それ
 そう過ごす時期がきて
 すべての穴 おし拡げられて
 戸惑いも

 空が必要なくらい 青いから
 蜜が欲しいくらい 痛いから
 人としても必要とされたい
 一度きり

 思いやりを作ることだって出来るはず
 見積って ほら、この風
 ドミノの尖端が遂に届く
 それは横に横に

 それ からまた
 夏がきて
 また 人の気配がしなくなった頃
 私は、好き でいられるだろうか
 人間である自分が

 蝋になりたかったり
 蜘蛛であろうとする 無自覚から
 どんなに拡大しても見えてこない
 心のあり処
 いかに 細かく接いでも与えられない
 どうして熱に弱い
 なんて繊細な
 望む傷は 与えられないまま
 命が また烈しさを増しながら
 そんな 好きが
 じき草臥れ
 いつか懐かしくなり そうな

 つい、可笑しい
 あゝ 夏がきて
 ほら 遠雷の奥
 私と 貴方でふたたび





自由詩 夏がきて Copyright soft_machine 2023-07-06 16:16:31
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