薄グレー
ゆうと


できそこないのぼく
アールグレイ、アールグレイ、
アールでグレイな気持ちだよ
薄暗くて
すこしかなしい
ここにいちゃいけないのに
ここにしかいられない
すこしかなしい が
膜を張ったように
浮かんでいる
ほんとうは
空は青いんだって
ひとから言われなくても
ぼくは知っている
それだからぼくは
これが、
すこしかなしい ことだと
わかる

アールグレイ、アールグレイ、
アールでグレイな気持ちになって
すこし考える
頭のネジの居場所はもう
どうだってよかった
今必要なのはなにか
ぼくに足りないものはなにか
ほとんどかもしれないけど
背景にはいつも
幸せな色が塗られていた
ぼくはそこから逃れられない
すこしかなしい が
すこしうれしい のかもしれない
その逆かもしれない
なにも答えはひとつではない

ああ!
できそこないのぼく
紅茶をすすっても
なにも起こらない
わかってはいたけど
すべては時が解決する
ほうきとちりとり持っておいでって
ひらたい口調で言うけれど
ぼくはくずだから
すてられることを恐れている
だれもぼくなんか
気にしてないというのに

100点満点の紙切れだって
ぼくには自慢だったのに
そんなもの持っていなかった
ああ!
できそこないのぼく

アールグレイ、アールグレイ、
アールでグレイな気持ちのまんま
ここにいたいわけではないけど
ここにいるしかないからいるね
それでも、
ころさないでね
しなないでね
ここにいるしかないならいてね



自由詩 薄グレー Copyright ゆうと 2023-07-04 13:45:22
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