あやかし
soft_machine
小鬼らの足あとに少女もはだしを載せましたら
堪えきれない心が蒼へと染まり
瞳に映らなくなりました
そこから見えますか
少女の唇が呼ぶ雨と
少年の肩を締めつける光
そして間に合いますか
現世の境界は人の表面にもあって
濡れた皮膚を傷めてしまうから
虹の彼方へ消えてしまう前に
次のあやかしを育てながら
そっと息を吹きかけ
安らぎも取りあげます
守ることが奪わないように
(あなたの微笑みに透けた静脈を調べている間だけ
やさしい哀しみを思い出せる)
やわらかい庭に結ばれた印の奥にひそむ
人の愚かさは
違う人生を盗みながら笑うから
人は不仕合せ
また想像に游ぶ尾をきつく咬む