恭子ちゃん
けいこ

縁者の少い
私の身内
いとこ半の
恭ちゃん

母方は
敬ちゃんだけよと
恭ちゃんは
いつも言う

去年の春に
恭ちゃんの夫は
長い患いで死んだ

二人が家に来たのは
遠い遠いむかし
30代の春だった

三人で
夜遅くまで
笑って話した

恭ちゃんは
名うての美人さん
羨ましかった

恭ちゃんの父母も
姉ちゃんも死んだ
私の母も夫も死んだ

だから
従妹半の恭ちゃんは
大事な親類

遠くに住んで
会えないけれど
電話で昔話に
花が咲く

恭ちゃんにとって
おばあちゃん
私にとって叔母

共通の繋がりだから
話が弾む
そんな話ができるのは
恭ちゃんだけ

恭ちゃんから
大雨で大丈夫と
電話があった

恭ちゃんも私も
娘がいる
みんな頼もしい

でも恭ちゃんと話すと
優しかった従姉と
私の母を思い出す


自由詩 恭子ちゃん Copyright けいこ 2023-07-02 09:52:28
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