七月のそらに[まち角13]
リリー

 うごく小さなゴミの塊

 しゃがみ込んで足もとのキミを摘み上げる

 「モップスリッパみたいじゃないか!」
 と
 カナブンくんに挨拶する

 どこを
 どうあるいたら
 こんな六本のアシぜんぶに埃
 付けたカッコウになるんだ?

 キミがバタつかせるアシ
 一本一本
 指先で
 埃取りのぞき

 路の端
 低く生えてる草陰へ下ろしたら

 ボクに振り向きもせず ソソクサと

   おい!
   変なとこ、もうあるくなよ
   おい!
   きこえてないのか。

 ほら
 限りない大空との空間に 立って
   (ボクがこんなに小さく)

 スガタ消したキミと僕は同じなんだよ

 今、七月の地上はゆっくりと夏の熱を吐き出していて



自由詩 七月のそらに[まち角13] Copyright リリー 2023-07-02 01:45:57
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