七月のそらに[まち角13]
リリー
うごく小さなゴミの塊
しゃがみ込んで足もとのキミを摘み上げる
「モップスリッパみたいじゃないか!」
と
カナブンくんに挨拶する
どこを
どうあるいたら
こんな六本のアシぜんぶに埃
付けたカッコウになるんだ?
キミがバタつかせるアシ
一本一本
指先で
埃取りのぞき
路の端
低く生えてる草陰へ下ろしたら
ボクに振り向きもせず ソソクサと
おい!
変なとこ、もうあるくなよ
おい!
きこえてないのか。
ほら
限りない大空との空間に 立って
(ボクがこんなに小さく)
スガタ消したキミと僕は同じなんだよ
今、七月の地上はゆっくりと夏の熱を吐き出していて