sketch
ryinx


いまとなれば
遠いおはなし

うすい膜のなか

半透明の階段をのぼる
(あしおともきこえない)

くうきの浸透圧で
うかぶ猫の蒼い眼が揺れる

水の音が、間隔をおいて、したたる

どこかで

  だれかの
  気配が

  気のせいかもしれない


光線の跡を辿ると

  あたりは狭い路地で
  マーケットは、閉じている

足音もしない

 それは 化石のように
 ただ沈黙をまもっている

  いろいろな物事の

  点と

  点を繋いで






自由詩 sketch Copyright ryinx 2023-06-24 07:46:11
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