愛妻弁当
リリー
「うまそうやなぁ!」
いきなり頭上から降ってきた補佐の声
昼休憩時
開いたわたしのお弁当
ほうれん草の胡麻和え
切り干し大根の煮物に出し昆布の千切りまで入り
かぼちゃの含め煮
シャケの塩焼きと半熟茹でたまご
色どり添えるミニトマト
「おかず、取り替えてくれへんか?」
そして交換した、大きなエビフライとミニハンバーグ
綺麗で可愛いオムレツ
アクセントに苺
高校生の娘さんと同じおかず
五十歳を過ぎる補佐は和食のおかずが好みな様で
それを伝えられず
お弁当を要らないとも言えない 優しい夫
この日
誰もが思っていた「愛妻弁当」の正体を
知ってしまった
誰もが思っていた「愛妻弁当」の正体を知ってしまった