復讐
ひだかたけし
力動、漆黒に碧く
ぽつんとひとり、
取り残され
「これからオレの半径五メートル以内に近づくな!」
いつもの坂道上る登校途中、
手を繋いでいた五歳年上の兄
突然、手を切り離し私に言い放った
坂道を登り切ると 巨大な富士山、
純白の雪戴冠して地平に在った
宇宙、漆黒に碧く
ぽつんとひとり、
取り残され
私は何者か?
世界、わたしを切断し
私は手を繋ぐ他者 探す
私が帰属する故郷 探す
やっと 未だに 意志して
力動する己の純粋思考にて
これはひとつの復讐、なのだ。
自由詩
復讐
Copyright
ひだかたけし
2023-06-13 19:39:07
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