独り言6.13
zenyama太郎

○「カミさまの声」
山へ登り始めたら
携帯が鳴った
見ると入院中のK君からである
出ると従姉の人からで
「K君が危篤です 会いたいといっています」
ということだった
急いで下山して病院へ向かった
途中赤信号で交差点に突っ込みそうになった
着くと酸素マスクをしていた
声は相変わらず出ないが意識はしっかりしていた
大分持ち直したようだった
面会15分以内のところを1時間を過ぎていたので
看護師に追われるようにして病室を出た
次の朝またK君からの着信があった
やっぱりダメだったかと思いながら
おそるおそる出ると
なんと本人からである
危篤だったK君からだった
奇跡の回復で久しぶりにはっきりした声を聞いた
K君は今まで食道がん肺がん咽頭がんなどの大病を
乗り越えてきた
今度の肺炎も乗り越えられるとは内心思っていたが
それでも驚いた!
まさしくカミさまの声だった
103歳のお母さんを残して逝くわけにはいかないもんな
と僕は返した




自由詩 独り言6.13 Copyright zenyama太郎 2023-06-13 09:16:16
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