夜想60
ひだかたけし

空間のなかの構成されていない物体たち*

言語による意味規定される以前の

ただひたすら在るもの在るもの

その立ち上がる実在感 

ばらばらと在り  

なのに調和し

全体性保ち


この白い壁に囲まれた小部屋という空間に


私という視座に直観され捉え掴まれ

知覚即認識にて或るもの在ると

言語以前の沈黙の形象の群れ

私という中心もいずれ

異邦のイメージに

意識 限りなく、

鮮明に覚醒し。












*クレー『空間のなかの構成されていない物体』より



自由詩 夜想60 Copyright ひだかたけし 2023-06-12 21:13:19
notebook Home 戻る  過去 未来