夜想59*
ひだかたけし

透明な呪いの声、
今夜も響く
真ん中へ均衡へと
自在に躍り木霊しながら

血液の流れ、
心臓の鼓動、
神経の空洞、

共感と反感 司り

あなたの顔に触れる
あなたという柔らかさ
あなたという熱
あなたという遠さ

危機に瀕した男、
静観の日々繰り返す
表象複合へ集中し
一日の夕に
陽の最後の輝きに

街道の緑、なんて美しく
己の肉体、なんて病んで

透明な呪いの声、
今夜も響く
真ん中へ均衡へと
自在に躍り木霊しながら

血液の流れ、
心臓の鼓動、
神経の空洞、

共感と反感 感情の本体

見れば見るほど 感じれなくなり
聴けば聴くほど 深く包み込まれ

私は忘れられないだろう、

アナタの最後の息吸う音を
宇宙を眼差すアナタの瞳を











*『Black star』におけるDavid.Bowie へ



自由詩 夜想59* Copyright ひだかたけし 2023-06-10 20:20:57
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