群青
そらの珊瑚
グミ
どうぞ、と差し出された袋のなかには
色とりどりのグミ
お祭りみたいにひしめき合ってる
青いのをひとつ
取り出して
口に入れる前に電球にかざす
ママが言った
海の色を選んだんだね
海の色に選ばれたんだね
選ぶって
選ばれること
夜に消されるまで見ていたい
まっすぐできれいなわたしたち
絵の具
画材屋が好きだった
というより本当は
キミと行くそこが好きだった
キミがなにいろの絵の具を選ぶのか
こっそり盗み見るのが好きだった
わたしは選ばれない
予感はほどなく的中し
選ばれなかったわたしは
海を塗り続けた
そのうちそれは夜空になり
やがて
群青そのものになった