群青
そらの珊瑚

 グミ

どうぞ、と差し出された袋のなかには
色とりどりのグミ
お祭りみたいにひしめき合ってる

青いのをひとつ
取り出して
口に入れる前に電球にかざす

ママが言った
海の色を選んだんだね
海の色に選ばれたんだね

選ぶって
選ばれること
夜に消されるまで見ていたい
まっすぐできれいなわたしたち


 絵の具

画材屋が好きだった
というより本当は
キミと行くそこが好きだった
キミがなにいろの絵の具を選ぶのか
こっそり盗み見るのが好きだった

わたしは選ばれない
予感はほどなく的中し
選ばれなかったわたしは
海を塗り続けた
そのうちそれは夜空になり
やがて
群青そのものになった





自由詩 群青 Copyright そらの珊瑚 2023-06-09 09:40:56
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