身じたく
リリー
六月はもう
むし暑く
医療用コルセットを巻くと
腹部が汗でむれる
窓の外を見ても
空はどんよりと深い水の色
濃すぎる緑に
むせ返りながら
ものうく
大気はまるで愛の無い
背中の薄い男の
しめって熱い腕が私の腰を引き寄せ
まとわりついてくる様で
重怠い
持病の腰痛は時たま
冷たい縫い針の先で何度も刺される神経の
痛みをともない
仕方なく食後に鎮痛剤をのむ
そんな 風の止んでいる六月の日に
夏が来たら下そうと思っていた
真新しい下着をつけてみる
朝の嬉しさよ
自由詩
身じたく
Copyright
リリー
2023-06-06 20:22:03
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