アースランテとの駆け引き(八)
朧月夜

「ところで、お前は馬車何頭で来た?」
「はい。三頭でございます」
「汝、イリアス、そして護衛の者か。だが、
 我が軍はすでにラゴスへと攻め入る準備が出来ている」

ハッジズは続ける。「汝らがクールラントへと帰りつける確率は低いぞ?」
「しかし、グーリガン・ハルガンテ殿が、あなた様がイリアスを屠ったとすれば、
 あなたの国に敵対することは自明でしょう。
 あなたは、あなたの首を自ら締めようとするのですか?」

ハッジズは勿体ぶって答えた。「国とは、一人の武将によって決まるものではないのだ」
現に、アースランテはファシブルの領土の大半を征服していた。
「グーリガン・ハルガンテが余を裏切るのであれば、それも良い」

「今、ヤーコンの国家群は、民兵を集めているところだ。
 貴国、クールラントは東からの攻撃に苛まされることだろう」
「そんな……祭祀クーラス様の思し召しが……」


自由詩 アースランテとの駆け引き(八) Copyright 朧月夜 2023-06-01 10:13:57
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クールラントの詩