夢の野辺
ひだかたけし


圧倒的な晴天に
階段を
上る
ぐんぐんぐんぐん登る
どこまでもどこまでも昇る

すると、

涼やかな風に舞い
純白透明な綿毛
無数、数知れず
飛び交って来る

階段の頂きに開けた
鮮やかな緑の野辺から

無数に舞い飛び交う
綿毛に取り巻かれ

導かれて招かれて

不思議に開けた
鮮やかな緑の野辺に

いつのまにか 
私は在る
肉の桎梏から解き放たれ
しずかに かろやかに
独り在る

  *

この圧倒的な晴天に
生き生きと
階段を昇り切り

フシギに開けた
鮮やかな緑の野辺に

今、

風が吹く
ああ
吹き抜ける







自由詩 夢の野辺 Copyright ひだかたけし 2023-05-30 16:15:15
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