マボロシ(改訂)
ひだかたけし



灯り消え
夜闇に
鎮まる
街、家々

わたしは
独り寝の床、
整え
眠薬服し
蒲団被る


人は毎夜、
深い眠りに
恒星たちの
うた、聴く
という

やがて
光のうた、
忘却して
朝に目覚める

死に、至るまで
この世の生、
終えるまで

この意識を、
眠りの最中覚醒させ
聖なる宇宙を刻み込む

それは
ただのファンタジー


この人生という現実
この人生が孕む可能性

  *

家々、今夜も灯り消し
人々、自然に眠り入る

わたしは独り寝の床に
ふと浮かぶマボロシ、みる

恒星の光のうた響く
マボロシは生々しく

やがて
降り頻る雨音に
現へと移り滑り

白い小部屋に病の重み、
疼く肉体に灯り消し

今夜も切迫する悪夢に入る


自由詩 マボロシ(改訂) Copyright ひだかたけし 2023-05-29 22:11:55
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