袤/染る
あらい

宵闇も境目もやはり子猫のいじらしさとおもえば

(逃げているのではなかろか)
(束ねているので ありませ)


明日はたわわと実りいた
きみは仄かに唄いいた
沈着すべき河童の木乃伊
籐トウに八千代に筆架化鏤ヒツカカル
珍談ばかりを、一夏の調子にがいて
孕んでは、くすり 喰らっては

溢れたも
煽れた者、
壊れたも
空の化粧も脱落す

萌えも栄えも這え昂る
これら偏ヒトエにこぼゑひた


叢に群雲に闇子守 (くさむらにむらくもにやみこもり
暮鳥詩 無音紙に (くれちょうし むおんしに
あのひぐらし (あの日暮し

ここら中りは禿げの山境 もなく静寂うわのそら




小蝿一匹なら、溺死することはあるまいが
匕首アイクチを検シラめて
いざやその刹那を垂涎と射つのが
過ぎた昔のヴィデヲを 斯コレき切り
までに もぞんだだけの、ぷつりとした 眼球の腐臭


自由詩 袤/染る Copyright あらい 2023-05-28 13:33:32
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