銀河
リリー

 比良の山を
 汲みあげようと柄杓星
 ゆったり横たわる りゅう座の下に

 カシオペアの東には
 アンドロメダがのびやかな弧をえがき
 めぐる星座は三百万光年の彼方の大銀河を抱いて
 恥ずかしげに身を縮める

 マンションのゴミ収集場へ生ごみを出してから
 湖畔そよぐ春の夜風に誘われて

 暗黒の中 自転しているこの地球
 夢なのか 私の在ること

 静かに呼吸ととのえてみれば
 雲の飛ぶ日
 風の鳴る日
 暗く空の騒ぐ日に
 何時 跳んだ?
 知らない
 何が 跳んだ?
 分からない
 速く速く回転しながら鮮やかに輝き
 生き生きと素直に わたしの世界が現れる

 その一点に、北極星の小さな息づかい感じながら
 十万の夜も百万の夜も見ていたい



自由詩 銀河 Copyright リリー 2023-05-22 09:15:49
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