銀河
リリー
比良の山を
汲みあげようと柄杓星
ゆったり横たわる りゅう座の下に
カシオペアの東には
アンドロメダがのびやかな弧をえがき
めぐる星座は三百万光年の彼方の大銀河を抱いて
恥ずかしげに身を縮める
マンションのゴミ収集場へ生ごみを出してから
湖畔そよぐ春の夜風に誘われて
暗黒の中 自転しているこの地球
夢なのか 私の在ること
静かに呼吸ととのえてみれば
雲の飛ぶ日
風の鳴る日
暗く空の騒ぐ日に
何時 跳んだ?
知らない
何が 跳んだ?
分からない
速く速く回転しながら鮮やかに輝き
生き生きと素直に わたしの世界が現れる
その一点に、北極星の小さな息づかい感じながら
十万の夜も百万の夜も見ていたい