ファシの戦い(六)
おぼろん

空中戦ではしだいにアースランテ軍が有利になっていった。
アースランテの魔導士たちは、ドラゴンに騎乗したまま、
ハンザ・ナウの魔法をしかける。ハンザ・ナウとは眠りの魔法である。
ファシブルの兵士たちは、次々に昏倒していった。

ファシの街の城内に、アースランテの兵士たちがなだれこむ。
ファシの街の市民たちは逃げ惑った。
しかし、ハッジズ・ア・ラ・ガランデは厳命していた。
「一般市民には手を出すな。兵士たちだけを狙え!」

アースランテ軍の規律は厳格に保たれていた。
ファシの街はいずれアースランテの領土になる街である。
占領政策が上手くいかなければ、アースランテは空中分解することになる。

そして、次は剣と剣との戦いである。もっとも野蛮な。
しかし、魔導は野蛮ではないのだろうか? それは飛び道具のようなものだ。
ゆっくり、じわじわと攻めていく魔導士たちがそこにはいた。


自由詩 ファシの戦い(六) Copyright おぼろん 2023-05-21 23:52:06
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クールラントの詩