again
ミナト 螢
ふわふわとした
形のないものを抱いて
目を覚ました
今日は何だか
うまくいきそうだと思わせる
朝の匂いは甘くて
誰かの柔軟剤の残りが
空気に溶けて
酔っているだけなのか
明るい空の下にいるだけで
同じくらい強い光を
放てる気がしたよ
逃げてばかりいた
昨日を照らし
影を踏んだら
新しい僕になれるはず
何度も生まれ変わるために
描き方を忘れても
この眼だけは
閉じないように
景色が見える場所を
歩いていたい
出会いと別れで
僕だけの扉の向こうに
流れていく人たちを
いつまでも愛していたい