again
ミナト 螢

ふわふわとした
形のないものを抱いて
目を覚ました

今日は何だか
うまくいきそうだと思わせる
朝の匂いは甘くて

誰かの柔軟剤の残りが
空気に溶けて
酔っているだけなのか

明るい空の下にいるだけで
同じくらい強い光を
放てる気がしたよ

逃げてばかりいた
昨日を照らし
影を踏んだら
新しい僕になれるはず

何度も生まれ変わるために
描き方を忘れても
この眼だけは
閉じないように
景色が見える場所を
歩いていたい

出会いと別れで
僕だけの扉の向こうに
流れていく人たちを
いつまでも愛していたい


自由詩 again Copyright ミナト 螢 2023-05-21 19:04:22
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