ミルク
ひだかたけし

ミルク 溢してしまい
その筋 床に白く伸びていく
時、 
ロープに足 引っ掛かり転び
びちゃ 倒れ込む、沸きだす
恥辱の感情 あらわに自ら恥ずかしく
なんで毎晩恥ずかしい悪夢 観るんだろう
誤解に晒され
怒りに駆られ
矛盾を抱えて
自ら 曝け出され

おのれ、あらわになることの 恐怖

響きの世界に生きて居たころ思い出せ
ヒビキの界に生きて居たころ想い出せ

雨は風はひたすら降り続け吹き続け

  *

ミルク溢してしまい
その筋 床に白く伸びていく

感覚界での出来事、

あ ヤバ!
拭き取らねば

思考界での出来事、

そうして意志し行為し 現実 収束していく
そうして私 再びヒビキの界へ入っていく

荒涼として熱く熱く、病んだ肉体 引き摺りながら











*人間はその昔、聴覚だけがあったそうな


自由詩 ミルク Copyright ひだかたけし 2023-05-18 20:03:57
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