煙突と風窓
あらい

その澄んだ表面は
世界は 翠の侵蝕 または神域
一冊を綴じた、現実から外れていくそのものが
解いたセーターよりあおぞら、
扉が閉まり身だけを残して   
フルーツパフェより魅力的でなければいけない。

(廃工場に差し込む明かり)
早回しのGIF どうでも、
それがなにかと言わさず、誣いて。

乗車した通勤バスは光を浴びてからっぽだった
空調の効いた座席に先客は一人もおらず
錆びついた香りが曼荼羅になる
きっと月光、運転手すら姿を隠していた

失わない命より古びた洋館の灯りが恋しい。
わたしのはなしはゆめまぼろしでもよかった、

大事なものから
解いて閉まい、
ばらして閉まったの。
遠方の側へ投げかける、
おはよう
アンティークな終末思考
思い足掻いた世界でもなんでも。
雷より黒蜥蜴、
心が おもいださせる

どんな宝石でも作り出せる
すこしのすきま。ちょっとのあいまで
立ち止まった今この場所には、まよいごと、
ひとり 駆け足で霞ませている 
殺さねばならない ロフト上から
どこまでも張りぼての、未詳。


自由詩 煙突と風窓 Copyright あらい 2023-05-15 17:37:45
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