ガンダムにあった日に死んでしまったこと
はたらくくるま

私は今日、ガンダムを見た。
それは流線型の淡い液体だった。
しかし、彼女は「ふっ」と笑ってそよ風みたいで、そこで、目が、覚めた。
あ、そうか
羽毛布団のその繊維の一つ一つに意識が集中して、
僕は100人になった気になっていた。

でも実際は機械油に溺れるコックだった。
それでいいんだ。それでいい。
そう言い聞かせながら、線路沿い、
君に逢いに、歩いた。
いや、正確には解体した。

手には粘性の液体がこびり付いて、汚いと思った。
嘘だ、全部うそだ。だから全部が反転して本当になった世界だ。

それで良かったのかな?

肉親からひどく強く打たれたことがあった気がしたけど、
それは僕が信じた衝動そのものだったかもしれない。
じゃあ、あの肉親は僕自身か。ならいいか。

死の向こう側にあるという水族館には人間がいるらしい。
それに会うまで僕は死ねない。


自由詩 ガンダムにあった日に死んでしまったこと Copyright はたらくくるま 2023-05-08 23:15:59
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