独り言5.7
zenyama太郎

○「5月の連休」

98歳で登山している友人もあれば
入院して点滴受けている友人もある
人生はさまざまだ

○「不平不満」

Uターンして田舎の悪口ばかり言ってどうすんのよ
夫の実家に帰り夫の悪口ばかり言ってどうすんのよ
どちらも自分の首をしめる愚かなことである

○「こんな詩がかけたらなあ!」

「五十歳の男」

揺籃から柩に入るまでは
五十年に過ぎない
そのときから死が始まる
人は耄碌し 張りがなくなり
だらしなくなり 粗野になる
いまいましいが髪も抜け
歯も抜けて息がもれる
若い乙女を恍惚として
抱きしめるかわりに
ゲーテの本を読むわけだ

しかし臨終の前にもう一度
ひとりの乙女をつかまえたい
眼の澄んだ 縮れた巻き毛の娘を
その娘を大事に手にとって
口に胸に頬に口づけし
スカートを パンティを脱がせる
そのあとは 神の名において
死よ 私を連れて行け アーメン

(ヘルマン・ヘッセ「人は成熟するにつれて若くなる」
 V·ミヒェルス編 岡田朝雄訳 草思社)

(追)僕はもう古希を過ぎて
  自分のバンツを脱ぐのも
  面倒になってきた
  なあまんだあ なあまんだあ



自由詩 独り言5.7 Copyright zenyama太郎 2023-05-07 11:23:04
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