窓枠のとれかかった朝/帰結する額縁
ちぇりこ。

1
目覚めた時に
あるはずの枕元が
きみの鎖骨の中で
蒸発していた
(そういえば
(春をしまい忘れてたんだっけ

2
全ての
歩行者信号が
赤になっている
雨の季節の始まり
交差点では
水クラゲの団体が
右折出来ずに
渋滞を引き起こしている
(雨
(雨です

3
夜明けとともに
絶命したピアノ
連弾の指は
止まらないまま
(あんなに空を
(信用しているなんて

4
生きてるって、へんな死にかただね
そう言っていた きみは
夕暮れのような
瞳の奥で
(まだ
(生まれてもいないのにね


自由詩 窓枠のとれかかった朝/帰結する額縁 Copyright ちぇりこ。 2023-04-30 14:34:26
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