chill
ミナト 螢

雨の音が聞こえる
少し不規則なドラムみたいで
何かに合わせるつもりがない
そんな所が私と似ている

程々に働いて
たまに遊びに出掛けても
ひとりの時間が好きだから
返事のないものばかりに
話かけたりする

三日月が受話器だったら
過去と未来が繋がるのに

何処かで忘れ物をしたせいで
先へ進めなくなっていた

人を好きにならなくても
困らないとは思うけど

あなたのことは
ずっと見つめていた

触れられなくても
その証拠を置くために
マグカップに
指をかけるような気持ちで
私だけの引き金を引く


自由詩 chill Copyright ミナト 螢 2023-04-28 17:40:13
notebook Home