オンライン同窓会にて
北村 守通
そうだった
わたしには
あなたたちがいたのであった
この
わたしのようなモノを
迎え入れてくれた
あなたたちが
ずっと
ずっと
届かない
と
勝手に思い込んで
見栄を張り続けた挙句
耐えきれなくなって
逃げ出した
わたしを
もう一度
もう一度
迎え入れてくれるというのか
あなたたちは
あなたたちは
あなたたちは
あなたたちは
遠い
遠い
どこかの
彼方にいる
あなたたちは
液晶画面に
映し出されている
二次元でしかなく
文字だけでしかなく
信号でしかなく
どんな声だったかも
どんな顔だったのかも
知ることは
できはしない
できはしない
しかしながら
その画面の
文字の上に沸き立つ
湯気の
温かさが
信号と
信号との
狭間に生じた
ゆらぎが
あなたたちを感じさせる
故に
怖い
恐ろしい
恐ろしい
恐ろしい
怖い
今更
今更
あなたたちが
わたしの前に現れて
今更
あなたたちが
わたしを
迎え入れて
その後
あなたたちが
わたしの前から
去った
その後
わたしが
本来いるべきである
ふさわしい場所に
戻されてしまった時に
なにがあるのだろう
それを
考えた時に
わたしは
また
みじめな自分自身に
耐えきれず
あなたたちの目の前から
逃げ出してしまいましないか
恥も
外聞も
かなぐり捨てて
あなたたちの前から
逃げ出してしまいましないか
あなたたちは
眩しいのだ
わたしにとって
眩しすぎるのだ
あなたたちに
泥を塗っては
いけないと
いけないと
わかっていつつも
あなたがたが
あなたがたが
眩しすぎて
眩しすぎて
わたしには
耐えられそうにないのだ
けれども
その
眩しさに
引き寄せられて
誰よりも
嬉々として
画面の中で
語り続けている
必死になって
打ち込み続けている
わたしはなんだ
わたしはなんだ
わたしはなんだ
わたしはなんだ
もう
二度と
会わないでおこうと
墓場まで
だまっていようと
決意していたはずなのに
簡単に
ひるがえしてしまって
恥も
外聞もなく
再び
話しかけている
打ち込み続けている
わたしはなんだ
わたしはなんだ
わたしはなんだ
わたしはなんだ