水溜り
たもつ


窓の外に水溜りがある
水溜りは晴れている
天気のことや外のことが好きだった
十二歳くらい
それくらいに
固定されているものがあった
お向かいのベランダには
シーツの類や
名前のわからない衣類が干されている
あの窓の中には私とは違う生活があって
なぜ私と違う生活の人がいるのか
不思議に理解できなかった
もしここが無人島なら、と思うけれど
一番近い無人島の位置も
誰が住んでるのかも知らない
ただ、ごくまれに青潮の匂いがして
どこかで海には繋がっているのだった
十二歳くらいの私は
無人島で何がしたかったのだろう
天気や外はあるにしても
走るのが遅いのは
無人島でも不利になる気がした



自由詩 水溜り Copyright たもつ 2023-04-18 21:29:27
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