歌い手としての苦悩
ルルカ

 
歌い手としての
極みを知り
それ以上には
上がれないと
声を荒げ

ここから
逃げたいと
無理を言い
まわりを困らせるのが
お得意な私は

頭の弱い
娼婦みたいに
ただ やみくもに
退きたいと
さきほどから
一辺倒に繰り返す

それにしても
似合わず
これまでの
美的概念を覆すかの様な
私の声を皆が
必要とするので
まわりは私を
懐柔しようと
躍起だ

それがわかっているから
こっちもそれには応えんと
ひたすら
駄々をこね回したくなる



自由詩 歌い手としての苦悩 Copyright ルルカ 2023-04-15 16:31:52
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