水面に浮かぶ果実のように
田中宏輔


 いくら きみをひきよせようとしても
きみは 水面に浮かぶ果実のように
 ぼくのほうには ちっとも戻ってこなかった
むしろ かたをすかして 遠く
 さらに遠くへと きみは はなれていった

もいだのは ぼく
 水面になげつけたのも ぼくだけれど



自由詩 水面に浮かぶ果実のように Copyright 田中宏輔 2023-04-10 01:53:01
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