手相
ひだかたけし

茫洋として
掴みどころのない
この現の相貌に
いつ亀裂入っていくか
それをひたすら待っている

南米ペルーの段々畑
マチュピチュの傍にて
三メートルに成長する
ジャイアントコーンを
この日本のこの小部屋にて
毎夜噛み砕き味わいながら

花の無い世界が信じられないと言うのなら
花の在る世界が何だと言うのか
それが余りに荒涼として来るというのなら

その荒涼こそこの世界ではないのか

茫洋として
掴みどころのない
この私の現の相貌に
いつ亀裂入っていくか
それをひたすら待っている

私の手相では後三年、
後三年生きれる という







自由詩 手相 Copyright ひだかたけし 2023-04-05 19:04:38
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