手相
ひだかたけし
茫洋として
掴みどころのない
この現の相貌に
いつ亀裂入っていくか
それをひたすら待っている
南米ペルーの段々畑
マチュピチュの傍にて
三メートルに成長する
ジャイアントコーンを
この日本のこの小部屋にて
毎夜噛み砕き味わいながら
花の無い世界が信じられないと言うのなら
花の在る世界が何だと言うのか
それが余りに荒涼として来るというのなら
その荒涼こそこの世界ではないのか
茫洋として
掴みどころのない
この私の現の相貌に
いつ亀裂入っていくか
それをひたすら待っている
私の手相では後三年、
後三年生きれる という