小枝
山人

くちびるからうなだれながら
なにかが、細かく砕かれ
くたびれた風にとばされて
不穏に小枝をゆらした
若い葉の裏側を通り
ささやきながら去っていった

あらゆる事が既にそこにあって
なまぐさく居座っている
そのパズルを組み立ててはばらし
エンドレスなゲームが繰り返される

世界はかわらない
いつものようにため息を増産し
その熱量で滑稽なものが造られる

小枝は季節はずれの暑さに
うろたえながら
黙り続ける事などないのだと
少しばかり、思うのだった


自由詩 小枝 Copyright 山人 2023-04-04 20:21:58
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