帰郷(改訂)
ひだかたけし

とおくのびていく
声、
ういういしくかなしく

しずかさの相貌を帯び

わたしは待機し
ふるさとを想う

ふるえながらふるえながら

明日のことは
誰にもわからないから

今、

意識 真一点に集中し

ひびく深みへ
在ることの内へ

表層をさぐり
表層をさいて

入っていく

怒りも嬉しさも
心、揺らがせること
なく

初々しく哀しい静かさに

澄み、

この夕の時

やがてやはらかく、

帰郷する。






自由詩 帰郷(改訂) Copyright ひだかたけし 2023-04-04 17:03:45
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