記憶の奥
ひだかたけし

朝に目覚めて
濡れ光るアスファルト、
無数の影、映し

傘、さしたり ささなかったり

遠く近い山並み、蒼く連なり

冷たい風吹くなか
人、忙しい営みに生き
人、愛し愛され裏切り裏切られ

傘、さしたり ささなかったり

近く遠い雪峰、純白に輝き

荒涼とした時、刻まれるなか
競争社会の野心に焚き付けられ
渦に巻き込まれ平穏無事願い


近く遠い雪峰、変わらず純白に輝き


朝に目覚めて
朝をやり過ごし
濡れ光るアスファルト、
漆黒に照り輝き

夢見のなか、

清冽な川面から
裸の半身出して
手を振る少年、
眩しい笑顔に
内なる霊性、
輝き出て

置き忘れてきた記憶の奥 取り戻す









自由詩 記憶の奥 Copyright ひだかたけし 2023-04-02 16:52:56
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